結合組織の中に存在している

結合組織とは何か
 エラスチン(Elastin)は、私たちの体の中にあるたんぱく質の一種です。体内では「結合組織」と呼ばれる部分に存在しています。
 まずは結合組織とは何か、というところから説明していきましょう。
 私たちの体は、細胞が集合した組織が組み合わさって各器官(臓器)を形作った構成になっています。
 そして組織は、4つに分けられます。皮膚の表皮や臓器の表面などの「上皮組織」、主に筋肉を構成する「筋組織」、全身に張り巡らされる神経の「神経組織」、体の構造を保持し支えている「結合組織」です。
 結合組織は正確には「支持組織」と呼ばれ、広い意味では軟骨や骨、血液、脂肪なども結合組織に分類されます。皮膚でいえば真皮~皮下組織(脂肪)の部分に当たります。

細胞外マトリックス
 私たちの体は約60兆の細胞でできていますが、細胞だけで構成されているわけではありません。細胞と細胞以外の物質(細胞外マトリックス)から成り立っています。
 細胞外マトリックスの役割はとても重要で、細胞を守る強固な土台としてや、組織の弾力性などに深くかかわっています。コラーゲンやヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸といった聞き慣れた成分が細胞外マトリックスです。
 わかりやすい皮膚でいえば、真皮の細胞(線維芽細胞)から分泌されたコラーゲンが、基礎を固める土台の型枠(網目状)の役目を担っています。そして、その型枠に作用して弾力性をもたらす役割を担っているのが、本書で紹介するエラスチンなのです。(真皮の下の皮下組織にはエラスチンはない)

細胞の調整役
 結合組織は、細胞の土台として重要なだけでなく、細胞の働きを調整する〝名参謀〟でもあります。細胞への物質の受け渡しはもとより、細胞を出入りする情報の管理も行なっています。なかでも、エラスチンはバリアのような役目を担っていると思われます。
 細胞の周りには、必要な情報とともに、好ましくない情報もたくさん飛び交っています。通常は、結合組織にあるエラスチンが、余計な情報はすべてブロックし、細胞を守っていると考えられています。
 ところが、エラスチンが不足すると、細胞の中に余計な情報がどんどん入って、場合によっては、細胞の新陳代謝に悪影響を及ぼしたり、細胞の質を変えてしまう危険性があります。
 実際に、遺伝的にエラスチンの体内合成が少ないマウスは、細胞の異常増殖を起こしやすいことが確認できています。
 こうしたことが、病気を引き起こす一つの大きな要因になっているのではないかと、私は考えています。

エラスチンは「環境たんぱく」
 いずれにしても、結合組織の役割は、常に細胞に寄り添ってサポートする縁の下の力持ちというイメージです。その中で働くエラスチンは、細胞が生活しやすい環境づくりに寄与していることから、コラーゲンとともに「環境たんぱく」とも呼ばれています。
 ちなみに、結合組織は全身に分布していますが、エラスチンはとくに皮膚の真皮や血管、肺、靭帯、軟骨などに豊富に存在します。


柔軟な血管と肌のハリにエラスチン
柔軟な血管と肌のハリにエラスチン



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by beauty-moisture | 2017-02-13 09:45 | 柔軟な血管と肌のハリにエラスチン