老化はエラスチン不足で起こる?

50年で半減する?
 年をとるにつれて、エラスチンと糖たんぱく質で構成されている弾性線維は減っていきます。
 弾性線維は、幼少期までは活発に生成されますが、その後はほとんど新たには作られないことがわかっており、新陳代謝(ターンオーバー)も非常に遅いものです。
 ですから、成人以降は減る一方で、50年で半減するといわれています。つまり、百歳になると計算上はゼロとなり、これが寿命と関係しているのではないかとも推測されています。
 加齢とともに弾性線維が減る理由として、弾性線維の劣化・断裂があげられます。
 弾性線維は、各組織のなかで絶えず伸び縮みすることを強いられるため、長い歳月の間に〝金属疲労〟のような状態を起こして、線維が切れてしまうことがあるのです。

弾性線維を脅かす活性酸素
 そしてもう1つ、弾性線維を脅かす最大の元凶とされているのが「活性酸素」です。
 活性酸素は、とても毒性の強い酸素で、体の中で多量に発生すると、周囲の組織が重大なダメージを受けます。「酸化」と呼ばれる現象です。
 結合組織の中の弾性線維も例外ではありません。エラスチンの足場である糖たんぱく質の量が減ったり、変性しやすくなります。
 糖たんぱく質は、通常、6本くらいの線維が紙縒りのように絡まり合って、1つの太い線維を形成していることは前に述べました。
 ところが、活性酸素によって酸化されると、より多くの線維が絡まりあって、異常に太い線維があちこちに生じます。そして一方で、別のところでは異常に細い線維が増える、といった現象が起こってきます。
 そうなると、エラスチンが糖たんぱく質にうまく沈着できなくなって、成熟した弾性線維を作るのが難しくなってしまうのです。
 活性酸素は、エラスチンも直撃しますが、これについては2章であらためて説明します。

活性酸素と老化の関係
 活性酸素は、体の中で絶えず発生しています。食事でとった栄養をエネルギーに変える際に副産物として生じますし、体内に侵入した異物を排除するための武器としても使われています。
 さらには、太陽の紫外線を浴びたり、強いストレスを感じたりしたときも、体の各組織で多量の活性酸素が発生します。
 それでも、体の中には、活性酸素を排除するしくみが備わっています。肝臓で作られるSOD(スーパー・オキシド・ディスムターゼ)と呼ばれる酵素はその代表です。SODが十分に産生されている間は、体内で活性酸素がある程度発生しても、すみやかに消去できます。
 しかし、SODの産生量は、年をとるにつれて減っていきます。つまり、年をとるほど、活性酸素に対する抵抗力が衰えてくることから、弾性線維がダメージを受けやすくなると考えられます。
 それが結果的に、2章以降で紹介する皮膚のシワやたるみなどの老化現象、そして動脈硬化、血圧上昇、肺疾患といった老人性疾患の形で現われてくると考えられます。


柔軟な血管と肌のハリにエラスチン
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by beauty-moisture | 2017-02-15 20:57 | 柔軟な血管と肌のハリにエラスチン