肺の呼吸機能にも不可欠

肺の収縮を調整
 肺は、毛細血管がたくさん集まってできています。血管はエラスチンが豊富ですから、当然、肺もエラスチンの多い組織となっています。
 肺が、呼吸のたびにダイナミックな収縮を繰り返すことができるのも、エラスチンがたくさん存在しているためです。
 逆に、エラスチンが不足すると、肺に重大なダメージが生じます。
 肺の中は、肺胞と呼ばれる小さな部屋がたくさんあって、そこで酸素と二酸化炭素の入れ替えが行なわれています。
 エラスチンが不足すると、肺胞の1つ1つが大きくなって数が少なくなり、呼吸でとり入れた空気の交換がうまくいかなくなると考えられているのです。

慢性閉塞性肺疾患との関係
 実際に、肺に存在するエラスチンが分解を受けると、肺の機能が低下し、慢性閉塞性肺疾患という病気が引き起こされてきます。
 慢性閉塞性肺疾患は、喫煙などによって肺に慢性的な炎症が起こり、肺胞の破壊などが生じて、息切れや痰がひどくなる病気です。
 高齢者に非常に多い疾患で、亡くなるケースも少なくありません。近い将来、がんを抜いて日本人の死因トップになる可能性も示唆されています。
 しかし、決定的な治療薬がまだ開発されていないため、いったん発症すると、エラスチンの分解を阻害する薬を投与し続けるしかないのが現状です。たとえ回復しても、再発する可能性が高い疾患です。
 じつは、エラスチンの分解には、マクロファージという白血球が関わっています。マクロファージは、体内に異物が侵入した際、それを除去するために現場へ駆けつけてくる免疫細胞の一種です。
 このマクロファージと慢性閉塞性肺疾患の関係を調べたところ、マクロファージの前駆細胞(単球細胞)が、エラスチンの分解に関係する可能性が明らかになりました。
 まだ研究途上ですが、治療薬の開発につながる研究を今後も続けていきたいと思っています。


柔軟な血管と肌のハリにエラスチン
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by beauty-moisture | 2017-02-16 09:18 | 柔軟な血管と肌のハリにエラスチン