コラーゲンを肌に塗ると……
 一九七〇年代にドイツで化粧品にコラーゲンを配合することが始まりました。コラーゲンを肌に塗ると皮膚の中に吸収されてコラーゲンの補給になり、肌の若返りに役立つと考えられたからだそうです。
 しかし、今ではそんなことはありえないと思われています。皮膚は表皮と真皮からできています。コラーゲンの繊維があるのは真皮ですから、皮膚の表面に塗ったコラーゲンが真皮に届くためには表皮を通りぬけなければなりません。
 ところが、表皮の一番外側には角質層があって、物質通過のバリアーになっています。このバリアーは、体の外から有害な物質が入り込むのを防ぎ、また体の中から必要な成分が外へもれだしてしまうのを防ぐ大事な働きをもっています。

角質層を通りぬけられない
 コラーゲンはとても巨大な分子なので、皮膚の表面に塗っても、この角質層のバリアーを通りぬけることはできません。つまり、皮膚の奥の真皮まで届くのは無理なのです。
 しかし、皮膚の表面に塗ったコラーゲンには、別の効用があることがわかりました。それは保水効果です。表皮の水分は、しっとりしたキメのこまかい肌をつくるためにとても重要です。
 ところが、歳をとると水分が減少して肌は乾燥しカサカサになってきます。そこで水分を補給する必要があるのですが、ただの水を塗ってもすぐに蒸発してしまいます。コラーゲンは水を吸着し保持する性質を持っているので、塗るとしっとりとした肌をつくるのに効果があるのです。
 またコラーゲンはそもそも肌の成分なので、肌と馴染みが良く安全です。そういう理由から多くの化粧品にコラーゲンが配合されています。
 巨大分子のコラーゲンですが、小さな断片(ペプチドといいます)にしておくと、角質層を通り真皮まで届くらしいことが最近の研究でわかってきました。そして、「コラーゲンを食べた時」と同じような、コラーゲン合成を活発化する効果が期待されるというので、いま研究が進められています。



若さと健康の支えコラーゲン
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by beauty-moisture | 2017-01-23 15:15 | 若さと健康の支えコラーゲン

皮膚や骨のコラーゲン量が減る
 歳をとるとコラーゲンの変質がおこると共に、皮膚や骨などでコラーゲンの量が減ってきます。
 皮膚ではコラーゲンの繊維がからみあって網目構造をつくり、これが弾力性のもとになっているのですが、高齢になると共に繊維がまばらになり、一本一本が細くなり、からみも少なくなります。この結果、皮膚は弾力を失い、大きなシワやたるみができてきます。
 骨はコラーゲンの繊維の周りにハイドロキシアパタイトというカルシウム化合物が沈着してできているのですが、歳をとるとコラーゲンもハイドロキシアパタイトも減ってきます。
 その結果、骨はスカスカになり、もろく折れやすくなってきます。骨量の減少がある値をこえると、骨粗鬆症と診断されます。

関節の軟骨層が薄くなる
 関節は骨と骨のつなぎ目ですが、骨どうしが直接つながっているわけではありません。骨と骨の間には弾力性に富む軟骨があります。この軟骨がクッションになって、外から加わる力をうまく吸収してくれるのです。
 軟骨の主成分もコラーゲンですが、歳と共にコラーゲンが減り、軟骨層が薄くなってきます。そうするとクッションの働きが弱くなり、その結果、関節が動きにくくなったり、痛みを感じるようになります。
 やがて、炎症がおこり、変形してきます。これが変形性関節症です。歳をとると、大勢の人がこの病気に悩まされます。

合成と分解のバランスが崩れる
 歳をとると骨や皮膚などでコラーゲンが減ってしまうのは、コラーゲンの合成と分解のバランスが崩れてしまうからだと思われます。特にコラーゲンをつくる細胞が老化して、コラーゲンの合成力が衰えてくるのが、第一の原因と考えられます。
 また皮膚の場合、紫外線を浴びると、コラーゲンの分解が速くおこることがわかっています。
 紫外線はお肌の大敵、浴びすぎないように注意しましょう。

細胞とコラーゲンの老化の悪循環
 歳をとると細胞が老化し、コラーゲンの合成や分解が衰えてコラーゲンの入れ替わりが遅くなります。そうすると、コラーゲンは長いあいだ体の中に留まることになります。すると糖と化学反応をおこして変質する機会がふえてしまいます。
 一方、コラーゲンは細胞の足場になり、ミクロの環境をつくっています。当然、コラーゲンの状態は細胞の足場に影響を与えます。コラーゲンが老化し変質すると、細胞に悪い影響を与え、細胞の老化を速めることになります。
 このように人間の体の中で、細胞の老化とコラーゲンの老化の悪循環がおこっていると考えられます。



若さと健康の支えコラーゲン
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by beauty-moisture | 2017-01-22 11:50 | 若さと健康の支えコラーゲン

グリシンが非常に多いコラーゲン
 一般的に、タンパク質をつくるアミノ酸は基本的に二十種類とされています。そしてこれらのアミノ酸はペプチド結合によってポリペプチド鎖をつくっています。
 コラーゲンのアミノ酸にはいくつかの特徴があります。まず、グリシンというアミノ酸が非常に多く、コラーゲンの全アミノ酸の三分の一を占めていることです。
 グリシンはタンパク質を構成するアミノ酸の中で最も簡単な構造のもの。ポリペプチド鎖の中でグリシンの次にプロリン、その次にヒドロキシプロリンが並んでいることが多く、グリシンは三つおきに現れるという規則的構造をしているのです。アミノ酸の規則的繰り返しをもつタンパク質はめったにないことから、非常にめずらしい特徴だといえます。
 実際、人工的にグリシン―プロリン―ヒドロキシプロリンの繰り返しのポリペプチド鎖を作ったところ、三重らせん構造になることが確かめられています。
 特に、ヒドロキシプロリンは基本の二十種類のアミノ酸ではなく、コラーゲン以外のタンパク質には含まれていないため、コラーゲンをみつける時の目印としても役立っています。その他の基本アミノ酸以外のものでは、ヒドロキシリジンというアミノ酸も含まれています。

変性温度と三重らせんの深い関係
 コラーゲンに熱を加えると、ある一定の温度以上で棒状の構造が壊れ、糸まり状のゼラチンになることがわかっています。この温度を変性温度と言い、体温より少し高い温度です。
 変性温度はその動物が住んでいる環境の温度とも関係しており、例えば人間のコラーゲンの場合は四〇度で、冷たい海(上限が一五度)に住むタラは、一六度だといいます。
 もうひとつ、変性温度と密接に関係しているのがヒドロキシプロリンで、その含有量の多いコラーゲンほど変性温度が高いらしいのです。裏を返せば、変性温度が高いとそれだけコラーゲンの三重らせん構造が破壊されないから、ヒドロキシプロリンは三重らせん構造の安定化に貢献していることになります。



若さと健康の支えコラーゲン
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by beauty-moisture | 2017-01-21 07:58 | 若さと健康の支えコラーゲン

コラーゲンは化粧品ではない
 これからコラーゲンの分子構造などをこの章で述べていきます。しかし、はっきり言って難しいです。そんなこと知らなくてもいい、という方は第二章からお読みになってください。ある程度コラーゲンの重要性はわかっていただけるでしょう。
「コラーゲンは化粧品の成分」とだけ思っていた人は、まず、ここで大きく発想転換をしてください。
 コラーゲンをひとことで言うなら、人間はもちろんのこと、あらゆる多細胞動物の体内に存在するタンパク質の一種です。タンパク質にはたくさんの種類があり、その働きも多様性に富んでいます。また、私たちが生きていくうえで欠くことのできない重要な成分です。
 人間の場合、全体重のおよそ二〇%がタンパク質だと考えられており、そのタンパク質の約三分の一をコラーゲンが占めています。具体的には、骨、軟骨、腱、歯、皮膚の真皮、血管壁などの場所に多く存在しているのです。

細胞と細胞のすき間を埋める
 コラーゲンの特徴の一つは、細胞と細胞のすき間を埋めるようにして存在している――つまり「細胞の外にある」ことと、「繊維状または膜状である」ことでしょう。タンパク質の多くが細胞内で働いている事実や、水に溶けた球状の形にあることを考えると、コラーゲンは少し風変わりな存在かもしれません。

コラーゲンの役割
 体の中でコラーゲンはどんな働きをしているのかといえば、まず、物理的な役目があげられます。コラーゲンは細胞の外にあって、繊維あるいは膜のような構造体をつくっています。この構造体が、体全体あるいは個々の臓器の形をつくったり、支えたり、結びつけたりしているのです。いわば、体あるいは臓器の大黒柱の役目を担っています。
 体の中でのコラーゲンのもう一つの役割は、細胞の足場になっていることです。人間や動物の体は、たくさんの細胞からできています。特殊なものを除くと、細胞には足場が必要です。足場に張り付いて、はじめて生きていくことができますし、分裂して増えていくことができます。コラーゲンは細胞の外にあると前に述べましたが、細胞はこれを足場にして寄り集まり臓器を形作っているわけです。
 例えてみれば、コラーゲンは細胞のマイホームのようなものです。マイホームが快適ならば、そこに住んでいる人の活動や気分によい影響を与えます。同じように、足場としてのコラーゲンは細胞のいろいろな活動に影響を与えることがわかっています。
 一方、コラーゲンをつくったり、壊したりするのは細胞ですから、細胞の状態がコラーゲンの状態を左右します。つまり、コラーゲンと細胞はお互いに影響を与え合っているのです。

分子は固い鎖状の立体構造
 決して溶けた状態にはなく、繊維状か膜状にあるコラーゲン。その分子は、もちろん肉眼で見えるはずなどありません。そこで電子顕微鏡を使って見てみると、形は、長さ約二八二ナノメートル、直径一・五ナノメートルの棒状。一ナノメートルは10メートル、すなわち一ミリメートルの一〇〇万分の一ですから、細長く固いことがわかります。



若さと健康の支えコラーゲン
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by beauty-moisture | 2017-01-20 10:03 | 若さと健康の支えコラーゲン