スイゼンジノリ固有の成分

半分以上は寒天質
 スイゼンジノリは単細胞生物なので、細胞体が集合して生育する場所が必要です。これが、細胞体の周りを覆っている寒天質です(写真8)。
 スイゼンジノリは、その重さの半分以上が寒天質から出来上がっており、その生産量は極めて大きいことが分かります。この理由で、スイゼンジノリはキクラゲのようにプヨプヨした感触を示すのです。
 もし、この寒天質がないと、せっかくスイゼンジノリの細胞が川の中で細胞分裂を起こしても、すぐに流されてバラバラになってしまいます。したがって、寒天質には細胞体を集合状態に保つはたらきがあります。

外敵から護るバリケード
 じつは、寒天質のはたらきはこれだけではなく、細胞を外敵から護るバリケードのような役割も持つと考えられます。
 何を隠そう、われわれ人間の体を構成する細胞の周りにも寒天質があり、細胞体を護ってくれています。人間のこの寒天質のはたらきは、太古の生物から受け継がれている作用なのです。

新規多糖類を命名
 この寒天質は、デンプンのような糖の固まりで出来ています。しかし、この糖は鎖のように連なった「多糖類」という状態になっており、まったく甘くありません。
 そこで、スイゼンジノリの寒天質に含まれる多糖類がどんなものなのか調べるために、以下の方法で取り出してみました。
 川から採取したスイゼンジノリを、ドライクリーニングのように有機溶媒で洗浄した後、アルカリ水に溶かすことで抽出した結果、繊維状の物質が得られました。
 この物質の構造を調べた結果、今まで見つかったことのない糖から構成された新規の多糖類であることが分かりました。
 そこで、発見者である岡島らは、この多糖類を、スイゼンジノリの種名である「sacrum」の語尾をan(多糖類という意味の接尾語)に置き換えることでsacran(サクラン)と名づけました(写真9)。


※写真省略


新発見「サクラン」と伝統のスイゼンジノリ
新発見「サクラン」と伝統のスイゼンジノリ


[PR]
by beauty-moisture | 2017-02-23 12:24 | 新発見「サクラン」と伝統のスイゼンジノリ